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尿もれ(尿失禁)とは?
尿もれ(尿失禁)は、「自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこと」と定義されています。うまく排尿のコントロールができていない状態であれば、漏れ出る尿の量に関わらず尿もれと言っていいでしょう。
年齢や体質が関係することもありますが、時に泌尿器系の疾患が原因の尿もれもありますので、注意が必要です。いずれの場合でも不意の尿もれはQOL(生活の質)を損ねる要因になりますので、恥ずかしがらずご相談ください。
こんな時はご相談ください
- 日常生活で不意に尿が漏れてしまう
- 就寝中に何度もトイレに起きる
- くしゃみをした時に尿が漏れる
- 残尿感がある
- 尿意があってもうまく尿が出ない など
尿もれの種類と原因
腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は、腹圧の一時的な上昇によって起こる尿もれです。咳やくしゃみ、重い物を持ち上げる際など、おなかに力が入った際に尿が漏れてしまいます。加齢、出産、肥満などによる尿道括約筋のゆるみが原因となります。
切迫性尿失禁
切迫性尿失禁は、突然の尿意を我慢できずに尿が漏れてしまう状態です。トイレに間に合わない、睡眠中に尿が漏れるなどの症状が見られます。膀胱の過活動や神経障害などによって起こり、男性では前立腺肥大症、女性では膀胱瘤や子宮脱などが原因となることもあります。
溢流性尿失禁
溢流性尿失禁は、排尿障害によって膀胱が常に尿で満たされた状態になり、少量ずつ尿が漏れ出る状態です。尿意があってもうまく排尿がコントロールされないため、無意識のうちに漏れてしまいます。比較的男性に多く見られ、前立腺肥大症などが原因となります。
機能性尿失禁
機能性尿失禁は、トイレに行くことが困難な状態にあることで起こる尿もれのことです。排尿機能は正常ですが、身体機能の低下や認知症などにより、必要な時にトイレに行けないために尿が漏れてしまいます。本人だけでなく、介護者の理解と協力が不可欠です。
尿もれの検査と診断
問診・内診
わざと咳をしておなかに力を入れていただき、尿道の動きや尿の漏れ具合を調べます。
尿検査
尿を採取し、尿路感染症の有無を確認します。
尿流動態検査
膀胱に生理食塩水を注入し、膀胱の運動機能を調べます。
尿もれの治療
運動療法
尿もれの多くは、尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強化することで改善が見込めます。これらを運動療法によってこれらを強化するほか、尿意を我慢する膀胱訓練、水分摂取量を調整する飲水コントロールなどによって徐々に排尿機能を改善させます。
薬物療法
抗コリン薬やβ受容体刺激薬などを用い、膀胱の収縮や尿道の拡張を防ぐことで尿もれを防ぎます。運動療法でも改善が見込めない場合や、切迫性尿失禁が疑われる場合に検討します。