2種類の抗菌薬と胃酸抑制薬を使用します。1日2回(朝夕)の服用を1週間続けます
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ピロリ菌について
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃粘膜に生息する細菌の一種で、強酸性の胃内環境でも生存し続けられるのが特徴です。ピロリ菌に感染しても無症状であることが多いですが、一旦定着すると自然に消失することはまれです。
慢性的なピロリ菌感染は長期の胃炎(慢性胃炎)を引き起こし、胃・十二指腸潰瘍など様々な消化器疾患の原因となります。胃がんの主な危険因子になることには注意が必要です。したがって、ピロリ菌感染が確認された場合は、症状の有無に関わらず速やかな除菌治療が勧められます。
ピロリ菌に起因する疾患
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌は主に経口感染によって生じます。ピロリ菌に汚染された水や食品を口から摂取することで感染が起こると考えられておりますが、下水道整備が進んだ現代の日本ではほとんど起こりません。しかし、衛生環境が整っていない国や地域への渡航時には感染リスクがありますので、飲み水にはくれぐれもご注意ください。
乳幼児への感染に要注意
乳幼児は食べ物の口移しなどで感染が広がることもありますので、育児に携わるご家族にピロリ菌感染者がいないか、きちんと確認・治療しておくことが大切です。
ピロリ菌の検査と診断
ピロリ菌の検査方法には、胃カメラを用いる方法と用いない方法があり、患者様の健康状態などを考慮した上で適切な方法を選択します。
前者では胃カメラを使って胃粘膜組織を採取し、感染の有無を調べます。後者には血液・尿・便を採取してその中のピロリ菌抗原を調べるほか、吐いた息の二酸化炭素濃度を調べることでも感染の有無を判定できます。
保険適用について
胃カメラ検査で慢性胃炎、胃・指腸潰瘍と診断された場合、ピロリ菌検査・除菌治療は保険適用で受けられます(2次除菌まで)。これらの疾患はピロリ菌によって引き起こされるものですので、疑われる症状がある時には積極的な胃カメラ検査をお勧めします。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌の治療は内服薬による薬物療法が基本です。一定期間の服用後に検査を行い、ピロリ菌の除菌の成否を確認します。
治療の流れ
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1次除菌
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除菌の判定
1次除菌完了後から4週間程度の間隔を空け、再度検査を行います
除菌の成否を判定し、完全な除菌ができていれば治療は完了です
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2次除菌
検査でピロリ菌感染が陽性(除菌失敗)だった場合、薬剤の組み合わせを変更して再度除菌治療を行います
服薬の頻度・期間は第1次除菌と同様です
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除菌の判定
4週間程度の間隔を空けて検査を行い、除菌の成否を判定します
2次除菌までで治療が完了することが多いですが、不十分な場合は完全な除菌が達成されるまで内服治療を続けます
※保険適用となるのは2次除菌までです